いつだって自分史上最高!

アラフォー 独身 女 。幸せを求めて日々奮闘中デス

朝から声が変だ。

鼻にかかるような、こもるような、もともと低めな声がさらに低く聞こえる。

私の声は、とにかく通らない。

『えっ』と聞き返されることも多い。何度も。子供の頃からそうだ。

もともと人見知りなのに、聞き返されてしまうと、もう何も言えなくなる。

口下手な私はこうして出来上がったのかも知れない。



そんな私の声も、時には役立ってくれる。

初めてのデートの時、憧れの人と会話をする時、、、。

『えっ』っと優しく、顔が近づく。

慌てて身体を引いて、私の声が大きくなる。

それまでの静かな流れを変えるきっかけになるのだ。

もちろん決して狙っているわけではないのだけれど、、。

そんな私を優しく見守ってくれるが、結局は私の大事な人になる事が多い。



不意に、動きが、思考すら止まってしまうような声に遭遇する事がある。

実際に振り返ってみても、声は瞬時に雑踏の中に消えてしまうのだけれど、、。

『鈴を転がしたような声』

決して耳触りではない、高くて、とても美しい声。

もごもごとして、低い私の声とは正反対。

私が男だったら、そんな声の持ち主にたちまち恋に落ちるのだろう。



もう10年くらいになるかな。

私の声を褒めてくれた人がいる。

『あなたの声は、穏やかで、優しくて、大好きよ。』

あまりにも不意に言われた彼女の言葉に、一瞬頭が真っ白になった。

カノジョハ ナニヲ イッテルノ?

この声のことだ。私のこの声のことなのだ。

しかも、彼女はとても愛らしくて、素敵な旦那さまと、可愛い子供達に囲まれて暮らしている、、。

全て、私に無いものを持ってる人なのだ。

諸々の事情から、短期間の付き合いだったけど、決してお世辞を言う人では無かった。



今日の私の声は、いつも以上に低くて、通らない。

マスクをして、暖かくして、きっと明日にはいつもの声。

明日、また雑踏の中の鈴の声に、歩みを止める事があるかもしれない。

でも、『穏やかで、優しい』この声も、捨てたもんじゃない、、。

にっこり笑って歩み出すのだ。

彼女に、母に、落ち着くと言ってくれた大好きだったあの人に感謝デス。